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小 説
旧日の縁(下) (ふるきひのえにし・下) -2001年 A5,132頁(小説)
「楽譜本…」
「若すぎる家主、四堂 雅は異国の女性からその言葉を初めて耳にする。だがそのことを決して口外しようとはせず、その挙動が三四郎の感性を悪く刺激した。彼は感じていた。
何か『よくないこと』が起こっている、と――
懐かしい再会に力を得て、少年はその秘密に迫ろうとする。一方、政宗もまた老人の遺した膨大な『過去』からその縁に引き寄せられていた。
「血よりも濃いものがあるのかもしれない」
少年たちは守るべきものをずっと共有していることを知った。信仰にも似た憧憬の念を強くして。
――急転する第三作。
この巻に入り、”物語”は形を取って動き出します。
私は、このシリーズは登場人物の成長物語であると思っていて、その点では勿論、今までに話は進行している。
ここで言う”物語”とは、彼等(彼女等)が関わる出来事を指しています。
才気溢れる成長を遂げたものの、未熟な所の残る少年二人が、どのように対処していくのか。
物語は片鱗を見せ始めるが、全貌は見えない。
不安と、それに負けぬ熱意を持って事態に立ち向かおうとする主人公。
この展開には、誰でも心躍るだろう。
全体的に感情を押さえた台詞が多いのだが、それが「確かな決意」を感じさせる。
そこがまた恰好いいのだ。
上巻を読んでおられるなら、間違いなくこの下巻も手に取られるだろうが、
まだ読んでいなくて興味があるのなら、上下巻まとめて入手された方が良いだろう。
どのみち、読みたくなるだろうから。
* * *
僕的に今回最大の目的だったのは何かといいますと、サークル「セピアオペラ」 『旧日の縁』(上)、(下)。オリジナルの長編小説シリーズ、その2巻、3巻。数年前に作者の加藤さんのメイン参加イベントであるコミティアでシリーズ第1巻『枳の庭』を購入、読ませて貰ってたんですがその瞬間にベタ惚れ。それ以来恋焦がれていた続刊なのですが、僕がコミティア行けなかったり、行けてもサークルさんの方が不参加だったりと今まで縁が無かったのです。それが今回コミケに参加されるという事で、超音速で会社同僚のコミケカタログにチェック!(同僚号泣)
会場入りしてイの一番に向かわせて頂きました。オマケの栞やチラシも貰えてホクホク。マジで購入後はちょっと頬が緩み過ぎてリアルキモマンになってましたよ。
勿体無いのでゆっくり読む予定。小説本文自体はリンク先のサイトの方に全文アップロードされていて無料で読めるようになっている(※)のですが、ほら、良い小説は紙で読みたいじゃん? それにお金出しても十分過ぎるほどに価値のある内容だと思うし。
※:現在では全文掲載はしておりません。
登場人物絵&挿絵(一部)です。クリックで大きくなります。
(注:実際に収録されたものはモノクロ版です)
二版目には「枳の庭」でも好評でした「次回予告」を加えました。
(注:実際に収録されたものはモノクロ版です)