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小 説
四堂の家 (しどうのいえ) -2005年 A5,244頁(小説)
その秘密を求める来訪者たちを、
雅は迎える。―最期の饗宴(もてなし)で。
四人は「楽譜本」という秘密の為に再び歩調を合わせ、隠蔽された事実を解き明かす。彼らにとっては災いの根源でしかなく、ただ、求める者に投げ与えるのみ。その思いで一致したのだ。――ただ一人、雅を除いては。
彼女はどうしても赦すことができなかった。悔い改めることなく続けられる冒涜と掠奪を。それに気づいた時、少年たちは絶望し、しかし諦めはしなかった。そんな結末は、たとえ雅が望んだものであったとしても認められるはずがない! 全てを賭けて、二人は赴く。四堂の家――今や「禍の中心」と化したその場所へ。そこで彼らが見たものは何か? 第四作。
血と硝煙、炎の匂がその家に充ちる。
まず圧倒されるのは、そのボリューム。平均的な単行本、二冊分はあるだろう。
だが、一度読み始めると手を止める切っ掛けが掴めず、一気に読んでしまった。
物語の中心には、主人公の一人である「四堂 雅」がいるのですが、一番の読みどころは、少年二人がどのようにして雅を救うのか、という事になると思います。
個人的に”敵”の正体は意外でした。
読み始めた時に、今までの雰囲気と若干のズレを感じたことは確かです。
ですが、読み進めるうちに、その差異は無くなっていきます。
その展開は、当初から用意されていたものなのだと、分かるからです。
既刊の所々に出てきた、欠片にしか感じなかったキーワード。
それは、この本の出来事を確かに示唆していました。
そのピースをはめ合わせるのが、今作の役割なのでしょう。
この本で、「枳の庭」から続くシリーズは一応の完結を迎えます。
しかし、登場人物のその後の動向について、物足りない部分があるのは事実です。
それは作者の加藤さんも承知しておられるようで、あとがきの中で「邂逅の調」という続編を準備中であると書かれています。
刊行されるのがいつになるのかは分かりませんが、期待して待ちたいと思います。
* * *
○ティアズマガジン74 Push&Review
ハガキアンケート(有効投票数…60)
うち2票 【四堂の家/Elfish Company】
※最高票…7票
○「禁じられた色彩」の物語に一つの区切りが付いた待望の4巻目。幼なじみの少年と少女たちの物語としては「これから」という状態だけど。結末を信じていてもかなりハラハラする展開で、面白かった。
○ティアズマガジン75 Push&Review
ハガキアンケート(有効投票数…73)
うち4票 【四堂の家/Elfish Company】
※最高票…6票
○読書会アンケート得票数
(有効投票数…51)
うち3票 【四堂の家/Elfish Company】
※最高票…8票
○初めて買いましたが完成度が高く同人誌レベルではもったいない作品です。
登場人物絵&挿絵(一部)です。クリックで大きくなります。
(注:実際に収録されたものはモノクロ版です)