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小 説
枳の庭 (からたちのにわ) -2000年 A5,124頁(小説)
2000年5月 初版発行(頒価 600円)
2001年5月 二版発行(頒価 600円)※現在入手不可
(文庫サイズで三版が刊行されています(後続参照)。
そちらは通販可能です)
「セピアオペラ」小説の第一弾。後続一連の作品(「庭シリーズ」と自分では称したりしますが)の始まりとなります。
基本的には伝奇的要素を含みつつ、「懐かしいものへの回帰の気持ち」「大切な絆についての登場人物の身の処し方」を描いている作品だと思う。「これどんな本なんですか?」と訊かれては困り果てて何も言えなくなっていたのですが…。
主人公の一人・雅を中心とした心の交わりと、大切にしたいもの。そして、長くそばに居たからこそ見えてきた謎・秘密・出来事。それらに対して周辺の少年たち・少女たちがどのように関わり、知り、解き明かすのか。
彼らの情感や世界を緻密に描写すべく心がけました。…余談ですがキャラクターの背景や生い立ちを何かしらで書くのは、作り手としては欠かしてはいけない所為ではないかと思っています。読んでいて説明不足もなくなりますし、感情移入も(ツボにはまれば)とてもしやすい。司馬 遼太郎さんの作品でその大切さを知りました。
反面、どうしても「長く」なります(´д`;)。私の初の小説作品は「いつ終わるのか?」と思えるほどに長いものになってしまいました…。
それでも読んで下さった方の評価は上々…なのかな? googleで「枳の庭」で検索かけると、良い読後感が提供できてるみたいで、嬉しくなったりもしました。
旧日の縁(上) (ふるきひのえにし・上) -2001年 A5,156頁(小説)
2001年2月 初版発行(頒価 600円) 重量:242g
二作目です。実は後続の「下巻」のエピソードから「四堂の家」までを書き終わったあたりから、登場人物たちを補完すべく書き起こしたのが「上巻」といった作り方になっています。当時の私には「四堂の家」のエピソードを完結させられる筆力があるかどうか、自分でも分からなくて。「まずは書ききってみよう」と思ったのでした。
内容的には「庭」から成長して高校生となった雅・匠、三四郎・政宗といった主人公たち、彼らの成長を暖かく見守ってきた老人・兆とそれに一途に仕えるメイド・アンナの物語。本の出来的には…挿絵も含めて時間がない中で作ってしまい、正直「今一番作り直したい本」なんです。しかし他の本に比べてまとめて印刷した冊数が多く、まだまだ在庫が多くて。どうにもなりません_| ̄|○。イベントでは「手に取られる率が一番高い本」なのに。表紙で騙している訳ではないので(表紙の少女・匠に関してはこの作品が一番丁寧に描いてます)何か「感じうるもの」があったら是非お読み頂きたいような(´・ω・`)。
旧日の縁(下) (ふるきひのえにし・下) -2001年 A5,132頁(小説)
2001年12月 初版発行(頒価 700円)
2004年12月 二版発行(頒価 600円) 重量:222g
三作目です。「一年内に二冊の新刊」という、すさまじく気合いの入った刊行でした。「兆老人の死」という、物語最大の転換期を迎えます。そして、訪れる謎の女性とそれに関わる雅。大いなる庇護者でもあった兆が喪われたことで、少年たち・少女たちは自らが秘密と困難に立ち向かわなくてはならなくなったのです。
成長し、それぞれが別々の道を歩もうとしていた彼ら。しかし兆が死に、雅が抱え始めた困難に対して少年たちが再び強く結びつくことになります。理屈や損得・好悪ですらない。彼女に降りかかるのが災厄であるのなら、それを取り除くのに躊躇いや戸惑いは無用のもの。お互いに足りないものを見事なまでに補えることを知り尽くしているからこそ、少年たち――三四郎と政宗は雅に対して「誓い」に似た決意を顕わにします。
…にもかかわらず何故か表紙は「鹿島 静香」とウラが「三沢 伊万里」という脇役? なんですが(苦笑)。
一応理由があって、上巻の表紙(匠)のある意味対極としてやはり「鹿島 静香」という性格のキャラが立っていて、さらにその別の対極として「三沢 伊万里」が居るという感じで。「一連の作品の表紙絵で人物関係を表現している」という目論見です。ウソじゃなくて。
四堂の家 (しどうのいえ) -2005年 A5,244頁(小説)
2005年8月 初版発行(頒価 1,000円) 重量:365g
244ページという厖大なページ数が構成する重厚さ。A5サイズでここまでいくとすさまじいです。文庫サイズなら500ページほどになります。…そんな4作目は、全編通じての謎を含んでいた「禁じられた色彩」と「四堂 雅」に対する秘密の解明が成されます。
故人も含めた登場人物たちの関わりと選択、行動がもたらす対立や争い。大きな混乱を経て――もたらされる平穏。その一連を濃密に描き切りました。…自分で言うか? と思わなくもないですが、これが妄想か事実かはお読み頂ければ判断がつくはず。この怒濤の物量となった刊行は、ただ時間に任せて書き連ねたものではありません。
……というか実際には、「四堂の家」の本文は1999年には書き終えていたのですが。厖大なページ数から厖大な在庫を連想し、どうしても本にする作業が重いものになりました。「旧日の縁(下)」の刊行から、三年以上を経過させてしまいました。その感支持してくださった読み手の方も多くは去られたのではないか…とも思います。一方で、ずうっとお待ち下さった方もいらっしゃることを私は知っています。今作はまさにそうした皆様が怠惰な作り手から「奪い取った」一作とも言えましょう。
この本からpdf入稿をするようになり、最終的な編集作業の生産性が飛躍的に向上しました。このノウハウを継承して、「枳の庭」の三版が文庫サイズで短期間で刊行可能となったのです。
枳の庭(文庫サイズ) (からたちのにわ) -2005年 A6,236頁(小説)
2005年8月 初版発行(頒価 600円) 重量:166g
小説サイズ本としては初版ですが、作品「枳の庭」としては三版目。元々部数が限られたものであるとはいえ、三版を迎えられるのは作り手としては嬉しいものです。従前から「持ち運びのしやすさや市販本のカバーがつけられること・本棚への格納等を考えると文庫か新書サイズで出して欲しい」といったご意見もあり、三版目で真新しいことをやってみたい(ノウハウを得たい)という当人の欲求も相まって実現しました。表紙に関してはA5版と構図は同じですが、現在の画力・デザイン力で再度構成し直しています。
内容はA5版の方の解説をご覧頂くとして、本としてはこの文庫版は満足のいく出来となりました。挿絵も綺麗に印刷出ましたし、前回不満のあった箇所・手直ししたい箇所はほぼ全て手を加えましたし。表紙…本文のレイアウト的に若干の問題はありましたが、これは今後の課題といたします。
フォーチュン・ツリーをさがして(1) -2010年 A6,268頁(小説)
2010年8月 初版発行(頒価 700円) 重量:189g
「四堂の家」から5年置いての小説刊行となりました。「フォーチュン・ツリーをさがして」はいわゆる『庭』シリーズで主人公たちの通う学校「神楽山高校」の別の生徒を主人公にしたクロス・ストーリーとなります。かつて存在したとされ、今は誰もが忘れてしまった『縁結びの樹』ー"フォーチュン・ツリー"。それを探そうとするうちに、主人公『櫻井賢八』は校内を震わすとある事件と、淡い想いを抱く少女との関わりを知ることになる……。
一部『庭』シリーズのキャラクターたちも登場し、双方の世界に奥行きを与えてくれる物語です(?)。思いのほかページ量が多くなり、1,2巻の分冊となりました。
フォーチュン・ツリーをさがして(2) -2010年 A6,308頁(小説)
2010年8月 初版発行(頒価 900円) 重量:216g
「フォーチュン・ツリーをさがして(1)」続編。第四章「頭文字『M』の啓示」から終章までを掲載しています。さまざまな事象の真相が明らかになる一編です。